弱視は治る?弱視の治療法
屈折異常が原因の場合は、適切な処置により視力の回復が望めます。弱視であることが0歳から7歳くらいの間に発見できれば、視力は改善されやすく、個人差はあるものの5~6歳までであれば、めがね・視力訓練などにより視力の回復が望めます。
弱視の発見は早ければ早いほど良く、目が未発達な子供のうちにしっかりと検査を受けて、正しい治療を受けることが大切です。
小学校に入ってから、視力検査で弱視が分かることもありますが、手遅れであるとあきらめずに、あくまでも個人差があるものだと認識して、わかったらすぐにでも治療を開始しましょう。
弱視の原因追求や、その他の病気も内在していないか検査してもらうことも必要です。信頼できる、評判の良い専門医(眼科医)にかかるようにしてください。
早期治療・訓練が大切なワケ
視力の発達が一番活発な幼児期に弱視を発見し、訓練することでかなりの治療効果が上がります。できるかぎり早く(3、4歳くらい)までに発見、小学校へ上がる前(6歳くらい)まで根気よく治療を続けるのが、弱視から視力回復成功への近道です。
残念ながら発見が遅れた場合でも、弱視の回復には個人差があります。あきらめず眼科医に相談して、まずはできる限りの治療をしていくことをお勧めいたします。
10歳くらいでも、視力が回復して弱視が治ったケースもあるようです。幼児期と違い、小学生にもなると、きちんと話せば、治療についての話もわかるようになるので、弱視のことを子供にも分かりやすく納得させた上で、治療することができます。
弱視を治療できる眼科の探し方
視能訓練士のいる病院・眼科を探してください。視能訓練士は、1971年に制定された視能訓練士法に基づく国家資格。医療機関で眼科医の指示により、視力機能の回復訓練や検査をおこなう専門家です。
実際の弱視の視力回復訓練は、視能訓練士によって行われます。
もし、自分で病院を見つけることが難しい場合は、かかりつけの眼科医に相談してみてはいかがでしょうか。
弱視の矯正方法
一般的に、左右の視力に大きな差がある弱視には、アイパッチ治療が行われます。
アイパッチ(眼帯)での治療
弱視は、専用の治療用めがねとアイパッチを併用して治療するのが一般的です。両目の視力差が大きい弱視には、よく見えているほうの目をアイパッチを使って目隠しします。
両目を同時に使うと、無意識のうちに良く見える目だけを使うので、見えない方は発達せず、ずっと見えないままということになるのです。色々なものを見ることで目を使えば刺激となり、神経細胞や脳細胞が発達していくのです。
よく見えない目だけを使って生活することは、本人にとってはとてもストレスに感じることと思います。お父さんやお母さんなど、身近にいる方のサポートも大切です。
眼科医と相談しながら、1日何時間といった感じでアイパッチでの治療をしていきます。
めがねによる治療
眼科で弱視(屈折性弱視)と診断されると、治療用のめがねが処方されます(あくまでも治療法方は個人差があります)。このめがねは普通のめがねと違って、かけると逆に見えにくく感じます。そのため、子供はめがねをかけるのを嫌がりますが、なだめながらめがねをかけるのを習慣にしていきます。
弱視の治療そのものよりも、めがねをかけさせる事のほうが、大変と感じるかもしれません。でも、それさえ乗り越えることができれば、弱視の治療効果が目に見えてわかるようになり、本人も楽になると前向きに考えましょう。
このめがねに早く慣れるためのコツは、読書など近くを見るときにかけさせるといいそうです。遠くは見えにくくても、手元など近くを見るにはめがねをかけたほうが、楽なのだそうです。
なぜ弱視は治療するの?
目が見えにくいか見えやすいかの問題で、命に直接関わるような病気ではありませんが、目が見えにくいのは何かと不便な事が多く、大人になるにつれて、目がいい人に比べて不自由な思いをする機会が増えるでしょう。将来本人が困らないためにも、子供のうちからきちんと正しい治療を受ける必要があります。
子供を持つ親ならば誰しも、子供の目が良くなることを望んでいると思いますので、治療するまでもないと考える方はほとんどいないとは思います。
幼児期はそれほど見えなくてもあまり不自由しない程度のものかもしれません。しかし、小学校・中学校、高校に入り、いずれ就職して働くようになると、会社での身体検査で引っかかったり、運転免許が取れないなどの問題に直面することになります。早期発見・早期治療、そしてあきらめずに視力回復のための努力をすることが、何よりも大事です。
2009年4月28日|
カテゴリー:弱視